学名:Sebasticus marmoratus
カジカ目フサカサゴ科
方言:ガシラ、ガガニ、アラカブ
浅い防波堤のテトラの間や、潮が引いたときには岩が出るような荒磯の岩の割れ目などから、水深百mくらいの深場まで生息。岸からの釣りと船の釣りでは多少釣り方、仕掛けが違う。ウミタナゴ、メバルなどと同じ胎生魚で、冬から春にかけて多数の仔を産む。岩の割れ目などにいるため、網を使う漁業の対象となりにくく、一般に売られることは少ないが、食べて大変おいしいことから、釣り人の評価は高い。
岸から釣る場合、いくつかの方法があるが、普通は投げ釣りの仕掛けを使う。ただし、カサゴは岩礁底にいるため、キスやカレイと違って根掛かりが激しい釣りとなる。逆に言えば根掛かりの少ない場所ではカサゴは釣れないといっていいだろう。
★★テクニック★★
ポイントは根回りとなるので予備のオモリ・仕掛けは多めに用意しておいて間違えない。海底にオモリが着いたら底ダチをとり、オモリか軽く底に当たる程度で探って行く。アタリがないときは小さく誘いをいれるか、10mほど巻き上げて落としなおすと効果的。針がかりしてからは、最初の数メートルを素早く巻き上げてからは一定の速度で。最初に根から離さないと根に潜られ出て来なくなってしまうからである。
学名:Stephanolepis cirrhifer
フグ目カワハギ科
方言:ハゲ、キンチャク、バクチ、マル
本州中部以南の比較的浅い海にいて、船だけでなく磯や防波堤からも釣られている。ざらざらした表皮は簡単に剥がせることからこの名前がついた。口が小さく餌を食べるとき落下の速度と同じにするのでアタリが出にくく、知らない間に餌を取られてしまう。食べてもおいしいこの魚を釣るにはテクニックが要求され、船の人気魚となっている。また、好奇心の非常に強い魚なので、仕掛けの上に集器と呼ばれる独特のものを付け、魚をこれで寄せ集める。集器はプラスチックや貝殻などの光るもので、目立つものがいい。2~3本バリで、餌はアサリのむき身でハリを隠すように刺す。
仕掛けが海底に着く前後がアタリの出るときなので、この時は竿先に全神経を集中させる。オモリが底に着くと、糸がフケるのですぐにたるみを巻き取って、軽く仕掛けを持ち上げて食いを誘う。このとき竿先にクッというアタリが出る。しかし、知らない間に餌を取られていることが多いため、アタリがなかったら仕掛けを上げて餌の確認をするといい。
★★テクニック★★
オモリが着底したらすぐに30cm程聞きあげてみる。アタリが無ければオモリを底に着け、竿先をたたきように細かく震わせ仕掛けを躍らせ、数秒後に糸が張った状態に止める。これがタタキ釣り。中オモリを仕掛けの上に入れわざと仕掛けが海底にベッタリつく様に糸をタルマセて微妙なアタリを取るのがタルマセ釣り。 その日、その時でカワハギの捕食パターンは様々なので、いち早くパターンを掴むようにしたい。
学名:Seriola purpurascens
スズキ目アジ科
方言:アカバナ、アカバラ、カンパ、サカハリ、ショウゴ、ショゴ、シオッコ、シオ
黒潮や対馬海流などの暖流に乗って、沿岸から沖合いにかけて日本南部に広く分布する回遊魚。ブリ属では最大級になり、体長は2m近く、体重は優に100㎏を超える。魚体はブリ、ヒラマサに似るが、アンバージャックと呼ばれるように琥珀色の体色をしているため識別は容易。近似種にさらに暖海系のヒレナガカンパチがいる。若魚の場合、頭部に鮮明に表れる八の字の模様が特徴で、これがカンパチの名の由来といわれている。
典型的なフィッシュイーターで、身餌のほか、生き餌や擬似餌にも活発に餌付く。そのためコマセ釣り、カッタクリ、泳がせ釣り、バーチカルジギングなどが可能だが、船釣りで狙うと確実性が高い。カッタクリやルアーで狙う小物は秋から春先にかけてがベストシーズン。大型狙いの泳がせ釣りは真夏から秋口が盛期だ。
スタンディング泳がせ
★★テクニック★★
オモリが着底したらすぐに底ダチを切る。狙う場所が荒い岩礁帯なのでのんびりしていると根掛かりしてしまうので注意が必要ですタナは底から3~5m。アタリはエサのムロアジが暴れる前アタリから、ここで焦ってアワセてはいけない。しっかりと食い込みロッドが絞り込まれるまで待つのが鉄則。必要以上にドラグを緩め走らせると、根ズレでハリスを切られてしまうので注意する。
学名:Beryx splendes キンメダイ目キンメダイ科
水深200m~800mくらいの深海にすむが、タナの変動は大きく、時には水面近くまであがってくることもある。体長は最大で60cmを越え、大型になると3kg近くまで成長する。深海釣りのため、ハリの数を多くして、一度に釣り上げる数を増やすのが有利である。
しかし、ハリ数が多くなるほど扱いにくくなる。10本以上のハリ数だと一度仕掛けを降ろしただけでからまってしまうことが多いため、必要な回数分だけ仕掛けをジグと呼ばれる専用の仕掛け巻きにエサごとセットしておき、仕掛けをあげるごとに新しい仕掛けを使いなおしていく方法がとられている。
リールは無論電動で、糸はフケを考えて水深の1.5~2倍くらいの長さを巻いておく。仕掛けをいったん沈めたら、アタリがあってもすぐに巻き取らないで、一度に何尾かハリに掛けてから巻き上げる。キンメは水圧の変化に強く、水面でハリが外れると逃げられるから注意。
★★テクニック★★
一日に仕掛けを投入できる回数が少ない深海釣りとなるので針数が15~20本の胴突き仕掛けを使う。釣れるキンメのサイズが1kg前後なのに対し、仕掛けが太いのはサバキを良くするためだが、中小型狙い、夜釣りでは幹糸10~14号、枝ス8~10号のライト級でもOK。仕掛けは治具に巻いておき、予めエサもつけておく。用意する個数は一日の投入回数分+2組程度。ハリはムツ針の20~22号、オモリは400~500号。
深海を狙う釣りでは一人づつ仕掛けを投入する。投入するたびに少しづつ船を移動させるので船長の支持を良く聞くこと。もし投入でしくじったらその回は釣りが出来ないばかりか船長の作戦も狂わしかねないので要注意。
海底に仕掛けがついてからは常に底ダチをしっかり取っていく。1匹目のアタリが来たら、オモリをその場から動かさない様に少しずつ道糸をのばしていくが、海底の形状によって、カケアガリの水深が浅くなっていくポイントでは少しずつ巻き上げとなる。
仕掛けの巻き上げも投入と同様に順番で行なう。速度は中速程度で構わないが、ドラグは船の揺れでスリップするぐらいの締め込みに設定し口切れを防ぐ。
学名:Acanthopagrus schlegeli
スズキ目タイ科
方言:チヌ、チン、チンタ、カイズ、オヤ
クロダイはタイ科のなかでもマダイと並ぶ代表的な種類である。体型はタイそっくりだが、色が黒いばかりにタイより低い評価を受けている。しかし、磯や防波堤から比較的簡単に狙えるため、釣り魚としての人気は高い。人間が住む場所の近くに好んでいることから、昔からこの魚を釣るための方法がたくさん開発されている。
★★テクニック★★
最も人気の高い釣り方は磯釣りである。かっては生サナギやスイカなどを使った地方色豊かな独特の釣り方があったが、今はオキアミを使った釣りに統一されつつある。タナが比較的深いため、ウキの浮力のあるものが人気があり、メジナのような円錐ウキより立ちウキを使う人が多い。
磯からのウキ釣りだけでなく、防波堤の壁すれすれに餌を落としていく、落とし込み釣りも人気が高い。この場合の餌は生きたカニが中心で、いかにもカニが波で流されて沈んでいくように餌を演出してアタリを取る。
学名:Scombrops gilberti スズキ亜目ムツ科
北海道から九州にかけて広く分布、深海性で産卵期を除いて200~500mの起伏の激しい岩礁帯の海底付近に生息する。成魚で体長60cm以上体重3kg以上に達する。
水深100m付近では体長20~30cmの仔魚、200~300mでは40~50cmの中型、それ以上深くなると大型、というように成長するにつれて生活圏を深海に移していく。逆に産卵期には沿岸の比較的浅場、水深100m前後に移動する。このほか、昼夜の浅深移動なども行なう。クロムツは目が大きく、深海での薄光も採りいれるよう出来ていて、歯は鋸状で非常に鋭い。黒褐色の強い体色、鱗が小さく数が多いことが主魚ムツとの相違点である。
★★テクニック★★
仕掛けの投入はオモリから順、または船ベリにマグネット板を置き、その上にハリを並べて行なうが、良型狙いで深海の釣場を攻める時にはキンメ、アコウと同様に順番に投入することになる。オモリが着底したら、底ダチしっかりととり、海底形状に合わせて底ダチを切りなおしながら探っていく。クロムツのタナは海底から10mくらいの幅だが、捨てイトは長め、エダス間隔も長めにとってあるので、タナ切りはオモリが底を叩く位置からやや離れる程度でOK。しかし、上バリにアタリが集中するときは2~3m高めにタナを取ってみよう。アタリが来たら基本は枝ス間隔分を巻き上げ追い食いを待つが、これもケースバイケースで、下バリに掛かることが多い日は逆に道糸を送っていく。取り込み後は鋭い歯でケガをしないように、プライヤーでハリをはずそう。
学名:Sebastes inermis
カジカ目フサカサゴ科
方言:メバリ、メマル、メバチ
メバルの仲間は数種類あり、分類についてはまだ確定していないところがある。釣れる場所によって魚体の色が違うが、同種という説が支配的である。浅い海の岩礁底でアマモなどが生えている場所にいるものは黒っぽく、クロメバルとも呼ぶ。これは主に関西の防波堤や船で生きたモエビなどを餌に釣られているほか、ルアーの対象魚でもある。沖の船で釣られるものは色が黄色~橙色であることから、オキメバルとも呼ぶ。これは主に胴付き仕掛けで釣る。
メバルは大きな目からその名前がついたように、大変目のいい魚である。ハリスが太いと見破られて食いが悪くなる。とくに浅場のクロメバルではハリスは細くし、ハリなども刺さりのいいヤマメバリなどを使う。メバルはそれほど暴れないから細い糸でも切れにくい。
★★テクニック★★
エビエサ
仕掛けはオモリから投入し、仕掛けが着底したら素早く道糸のフケを取り底ダチを切る。そしてオモリを海底から離した位置をキープして探っていく。ちょっと竿先を下げたときにコツッっとオモリが底を叩くくらいが理想。海底は捨石や荒い岩礁なので底ダチはこまめに行なうことが不可欠。根ガカリは多発するので仕掛けは多めに用意しておいた方が良い。アタリは鮮明にブルルっと竿先が引き込まれる。早アワセは必要ないので竿が十分に引き込まれてから巻上をはじめる。
★★テクニック★★
イワシエサ
仕掛けを投入し底ダチをとったら、1mくらいタナを切ってアタリを待つ。海底の起伏に合わせて底ダチ、タナの切り直しを行なっていく。食いが悪い時はゆっくりと上に誘いを入れてみるのも一手。また、あまりベタ底で狙うとアナハゼなどが掛かりやすくなるので注意すること。アタリがきたら食い込みを待ち、サオが十分に曲がってから巻き上げに移る。こちらも早アワセは不要で、引き込みを待てばよい。
学名:Cyprinus carpio コイ目コイ科
方言:ハネッカエリ、ブンショー
口にヒゲがあることでフナとは容易に区別できる。日本全土に分布し、最大では1mを越える。暖かい水を好み、水温の下がる冬は深場にいて泥にもぐったりしてあまり動かない。春、秋に活発に動き、産卵は5月。各地で放流が盛んになるにつれて釣り場も増えているし、魚影も濃くなっている。
★★テクニック★★
30cmくらいまではノベ竿にヘラブナの仕掛けを頑丈にしたものでいいが、それ以上のサイズだとリールを使った吸い込みか食わせ釣りとなる。吸い込みはラセン状の針金に餌をダンゴ状に巻き付けて、アタリを待つ釣り方をする。置き竿による釣りなのでアタリの確率を高める意味でも竿数を多く入れておいたほうがいい。餌は吸い込みならコイ専用のネリエサ、食わせ釣りではふかした芋やミミズ、エビガニ、ドジョウなども使う。餌は必ず底に着いているようにすること。コイは同じような場所にいるからポイントは以前にも釣れた実績のあるところを選ぶ。ハリに掛かってからの取り込みが大変で、リールのドラグを調整しておく。
学名:Ommastrephes bartrami アカイカ科
方言:ムラサキイカ,バカイカ,クロイカ
ゴウドウイカの標準和名はアカイカ。伊豆海域や房総などでアカイカと呼ばれているのはケンサキイカのことで別の種類となる。ゴウドウイカは背中の色が濃いことから紫烏賊との名も通っている。南北20度まで全世界の漁場に分布する。
★★テクニック★★
ゴウドウイカ釣りの時間は日没前から夜半までで、釣場は大陸ダナ近くの沖合。パラシュートアンカーを打って流し釣りで狙う。タナは日がある頃は深く、日が沈み集魚灯が点灯するとエサの小魚の浮上と共に20~30mときには数メートルと浅くなって行く。従って船長の指示に注意し正確なタナを探るのが釣果を上げる近道。探り方は指示ダナ下5mくらいまで仕掛けを沈め、竿で大きくゆっくりとシャクリ、上へ誘って行く。乗りが活発なときは落とし込みの最中で乗ってくるときもあるので、そんなときは指示ダナの手前数mからスプールにブレーキをかけて落としてみると良い。
学名:Caranx delicatissimus
スズキ目アジ科
方言:オオカミ
ブリやヒラマサなどのいわゆる青物に似ているが、はるかに体高があり、唇が分厚い。側線にはアジ科特有のゼンゴがあり、ブリ属の魚とは一線を画している。体色は背が青緑色で腹が銀白色。幼魚はいく筋かの横帯が見られ、また若魚には黄色の縦縞もあるが、いずれも成長にともなって識別できなくなる。
暖海性の魚で東北南部から南に分布し、沖縄、トカラ列島、小笠原諸島などには見られるが、北マリアナではどういうわけか確認されたということを聞かない。生息域は岩礁帯か砂礫底とバラ根が混じり合った沿岸近くで、エサを食べるときは嘴を延ばして砂ごと吸い込み、エサだけを飲むと砂などは吐き出す。
シマアジを釣るには磯か船からとなる。いずれにしてもコマセによって魚を寄せて釣るのでコマセのマキ方が重要である。また、目がいい魚なので、ハリスを太くすると食いが落ちる。しかし、細くすると簡単に切られてしまう。おまけにシマアジが食う場所は岩礁がある所が多く、糸を出しすぎても切られやすい。食わせるのも難しいが、取り込みはさらに厳しい。ここにシマアジ釣りの面白さがあるとも言える。
★★テクニック★★
仕掛けの投入は片天秤かた最初に入れ続いてハリを沈めて行なうシマアジのタナは底層だが、ねらい方は海面からの指示ダナと底からの2とおり。まず海面設定では指示ダナ下2mあたりまで仕掛けを落し、この位置で強く一気に寄せエサを振り出し、しばらくストップ。次に1m上げて再び強く寄せエサを撒き同じようにストップしてアタリを待ち、また1m上げて今度はタナで寄せエサを撒く。この一連の動作によって付けエサは寄せエサの煙幕の中に常に入っている事になる。底から狙う場合は底ダチをとり1m上げて寄せエサを振り次は2mと順に5~6m上まで細かく数回に分けて行なうこと。これでアタリがなければ一度巻き上げ寄せエサと付けエサの点検を行い、再度投入を行なう。
唇が弱い魚なのでヤリトリは慎重に行い、
学名:Coryphaenahippurus スズキ目・シイラ科
方言:シラ、マンビキ、シビトクライ
黒潮系の回遊魚で、1m以上に成長する。カツオやマグロと同じく黒潮に乗って回遊してくるものを、ルアーやトローリングで釣る。サイパンやハワイ、オーストラリアなどではライトトローリングで盛んに狙われ、重要な対象魚となっている。流木などの浮遊物の陰に隠れて小魚などを襲う習性があるから、ポイントはこうした物の周囲や、海鳥が群れたいわゆるトリヤマの付近である。
★★テクニック★★
日本での釣り方はルアー&フライが中心で、潮目に沿って船を進めながら、浮遊物に向かってキャストしていく。沖縄周辺ではパヤオ(浮き魚礁)の周りや定置網の目印のブイなどもポイントになる。万力の名前があるように引きは強く、ハリ掛かりすると激しくジャンプを繰り返す。しかし、美しい魚体はボートに上げられると死ぬまでの間にめまぐるしく変化する。外国では食用魚として珍重されるが、日本では釣り味に比べて食べる方はいまいち人気がない。
学名:Sillago japonica スズキ目キス科
方言:キス
北海道南部以南の浅い砂底の海に生息。全長は30cmを越えるものもごくたまにいるが、平均的なサイズは20cm前後である。産卵は初夏で、最初の年に8cmくらいまで成長するという。寿命は10年以上。似た仲間にアオギスがいるが、これは数が非常に少なく、絶滅危惧種となっている。
シロギスは姿形が良く、味覚にも優れていることからなじみの深い魚である。初夏になると一斉に浅場で釣れはじめるため、各地の投げ釣りや船釣り、ボート釣りで狙う人が多くなる。初冬までコンスタントに釣れるが、水温の下がる冬場は水深20~30mの深みに落ちる。 投げ釣りでのコツは、沖一杯に投げたら、ごくゆっくりと仕掛けを引いてくるサビキ釣りと呼ばれる方法が一般的。餌を動かし続ける効果と、広い範囲を探れる効果がある。百m以上遠投しているとアタリは分かりにくいが、近場ではかなり鮮明に出る。
★★テクニック★★
シロギスは広く探って釣る。キャストの仕方は片テンを竿いっぱいまで巻き上げ、竿の弾力を利用して下から上へと振り上げるアンダースローで行なう。人にハリを引っ掛ける可能性があるオーバースローは船釣りでは原則的に禁止である。仕掛けが着水したらサオをあおって道糸の出を助け着水したらベールを返して余分に出た糸フケを素早くとる。探り方はオモリを底に着けたまま竿でゆっくりと仕掛けを動かして行く。長く止めてしまうとメゴチが掛かりやすくなるので注意が必要。着底地点から船下まで探ってきてもアタリがない時は、仕掛けを巻き上げエサの点検をし再キャストを行なう。竿先にブルルっとアタリがきたら竿で軽くアワセを入れてリーリングに入る。
学名:Fugu vermicularis vermicularis フグ目フグ科
方言:スズメフグ、ナゴヤフグ、フグト、マフグ
日本各地沿岸、東シナ海など、特に南日本に多数分布ています。
体長は30センチ未満で、産卵期が日本産ふぐの中では一番遅く、6~7月頃です。体側は平滑でトラフグのような、小さな棘はありません。体色は暗緑褐色地に白い斑点が散在し、腹面やしりヒレが白色で尾ヒレの下縁が白いのが特徴です。
★★テクニック★★
仕掛けを投入し着底したら素早く糸フケを取り、道糸がピンと張っている状態にする。アタリは極小さく竿先に出る。コツコツ、ゴワゴワ色々と表現に違いはあるが、とにかく竿先に違和感があったらアワセを入れてみると良い。
アタリが無いようなら、空アワセを入れて見るのも一手。
カットウ仕掛けの上に食わせ用の仕掛けを入れる船宿もあるので事前に確認が必要。オモリの重さも確認しておいた方が無難です。
学名:Lateolabrax japonicus
スズキ目スズキ科
方言:マダカ、ハネ、ユウド
スズキは北海道南部以南の日本各地の沿岸に生息。潮の薄い河口や内湾などに多く、外海の磯には近似種のヒラスズキがいる。ヒラスズキと区別するためとくにスズキをマルスズキと呼ぶこともある。成長するにつれて名前の変わる出世魚で、30cm以下はセイゴ、50cmまでをフッコ、またはマダカと呼ぶ。セイゴクラスの幼魚は内海や汽水域に群れているが、成長するにつれて群れが小さくなり沖に出ていく。
魚食性が強く、ルアーの恰好の対象魚となっている。岸からのキャスティングでは10フィート前後のシーバスロッドにスピニングタックル。船からのルアーならサイズにもよるが6~8フィートのライト~ミディアムタックルでいい。岸からのキャスティングでは潮通しのいい防波堤の先端とか、川の河口付近が狙い場で夜釣りが成果が上がっている。
ルアーフィッシングではルアーの選択が大切。小魚を追っているときならミノー系のプラグが実績がある。
★★テクニック★★
エサ釣り
仕掛けの投入はまずエサから海中に入れ、次にエサから離して天秤を沈めていく。スズキのタナは海面から設定する。従って指示されたタナへ仕掛けを正確に入れてアタリを待つ。アタリは小さくコツコツと竿先に訪れるがすぐにアワセてはいけない。大きな口に似合わずエサを一度咥えてから飲み込からである。アタリが来たら素早く竿先を下げ、食い込みを待ち、グイッという強い引き込みで大きくアワセる。最初のアタリからアワセまでは大きく3つ数えるくらいが平均的なので目安にすると良い。つまりアタリが来て3つ数えた時点でアワセを入れる。パワフルな抵抗を見せる魚なので、やりとりは竿を立てて魚の動きに合わせて対処する。良型の場合はドラッグを活用して慎重に行い、上に泳いだときはリーリングでかわす。
標準和名:コウイカ
学名:Sepia esculenta コウイカ科
方言:マダカ、ハネ、ユウド
スミイカ標準和名「コウイカ」は甲烏賊と書き、背の軟骨が石灰質で出来た固い甲羅のようになっている為、この字が当てられておりますが、別名スミイカ、マイカ、ハリイカといわれております。甲烏賊の数ある種類のなかでもアオリイカ、モンゴウイカなど、姿が見分けし易い種類が一般的に市場に出回っておりますが、地方では呼び名が違っている場合もあります。本州中部以南から南シナ海に分布しており、産卵は夏に沿岸域にあがってくる、この時を逃さず漁師は漁獲する。メスに多くのオスがよってくる習性を利用するわけです。スミイカと言われるように墨を吐いて難を逃れるんですが、墨が当たりに散らず、しばらくもやもやと固まって残っている間に逃げるんだそうです。この墨は料理には珍重されておりますね。スペイン料理を代表に外国料理に使われ、日本では塩辛の'黒作り'があります。
★★テクニック★★
シャクリを入れながらポイントを広く探っていくのがスミイカ釣りの基本。アンダースローでキャストしテンヤが着底したら道糸のフケを軽くとり、張らず緩めずの状態にし、シャクリを小さく鋭く入れる。シャクリを入れたらゆっくり10数えるくらいストップし、再びシャクリを加える。こうして船下まで繰り返して乗りが来なければ再びキャストを行なう。
一連の動作を行なう時の構えは片手がリール前、もう一方は元グリップを握っておく。また、竿の角度は斜め45度程度が理想。スミイカの乗りはシャクる竿の動きを止めてズシッと訪れる。スミイカが乗ってリーリングに移るがそのときも竿の角度は45度程度にキープする。リーリングは一定スピード。また、カンナにはカエシがないので途中で巻き手を止めるのは禁物。取り込みは海面までスミイカを浮かせ、玉網に納めて一度、墨を吐かせてから船内へ納める。非常に濃い墨を吐くのでレインギアの着用をオススメしたい。
学名:Todarodes pacificus アカイカ科
方言:マイカ,マツイカ,ムギイカ,トンキュウ,ガンゼキ
イカ類中、最も馴染みの深い種類で、刺身等で食される他、名前のとおり干物として“するめ”の原料となります。スルメイカは寿命が約1年で日本全国に分布しますがが、大きく分けて三つの系統群があると考えられています。つまり、①冬季に東シナ海~九州沿岸で生まれ、太平洋沿岸と日本海沿岸に分かれて北海道まで北上回遊する群、②秋季に九州西方で生まれ、主に日本海沖合に分布する群、及び、③夏季に各地の沿岸で生まれ、小型で大きな回遊を行わない群、の3つです。
★★テクニック★★
仕掛けの投入は投入器に順序良くツノを入れておき船長の合図でオモリを前方に投げる。魚群探知機の反応に合わせて狙うので素早く行ないたい。タナは水面からの設定で「○m~○mの間」と指定されることが多い。つまり魚探に映るイカの群の上から下までを探るわけだ。仕掛けを沈めたら指示ダナの5~6m下まで沈めその位置から上へと誘っていく。
シャクリは海面から頭上まで強めにアクセントを入れながら2~3回に分けて入れていく。頭上までシャクったら、数秒間ストップ。ここで乗りが無ければシャクリ上げた分を巻き上げながら竿先を下げもう一度シャクリを入れていく。これを指示ダナの上限まで繰り返していく。スルメが乗ったらそのまま待つか、ゆっくりと巻き上げて次の乗りを少しだけ狙い、リーリングに移る。
時には下からシャクルだけでなくシャクッテは落としていく落とし込み釣方も効果的。
学名:Sebastes vulpes カジカ目フサカサゴ科
方言:ガヤ、スイ
メバルに近い魚で主に北日本の海に生息する。ソイの仲間は多く、クロソイ、ムラソイ、ゴマソイ、シマソイ、キツネメバルなどと呼ばれるものがいるほか、クロメヌケ(アオソイ)とかヤナギメバル(アカゾイ)もこの仲間である。クロメヌケ、やヤナギメバルは深い海にいるが、そのほかは沿岸の比較的浅い岩礁帯の根に群れを作って生息する。普段はこうした岩陰などに潜んでいてエサを見つけると飛び出して、くわえるとすかさず巣に戻ろうとする。従って強烈なアタリがあったらただちに根から離さないと、潜られてしまう。サオの反発力を利用して根に潜られないようにするといいだろう。
ソイがつく根はきわめて狭い。船釣りではこうした根を釣らせるには船頭の腕がものを言う。沖では海底から比較的高いタナまでいるので胴突き仕掛けが有利。深場では夜光のタコベイトや夜光玉をハリにつけておく。エサは生きたイワシが最高だが、冷凍イワシの1尾付けや、サバ、サンマの切り身でもいい。
ルアーはジェリーベイトなどが抜群で、堤防のテトラの際などを探る。夜釣りが有利。
★★テクニック★★
仕掛けを投入し底ダチをとったら、底ギリギリをキープするように探っていく。食いが悪い時はゆっくりと上に誘いを入れてみるのも一手。アタリがきたら食い込みを待ち、サオが十分に曲がってから巻き上げに移る。早アワセは不要で、引き込みを待てばよい。また、狙う場所が岩礁帯なので仕掛け・オモリのロストは非常に多い為、予め多めに用意しておくことが重要。
学名:Trichiurus lepturus
スズキ目タチウオ科
方言:カタナ、サワベル、シラガ、タチ、タチオ、タチヌイユ、タチノウオ、タチノヨ、タチュオ、タチンジャ、ハクヨ、ヒラガタナ
北海道以南の日本各地の沿岸に分布し、水深150mまでの砂泥底の大陸棚を回遊する。昼間は底近くに潜んでいて夜行性のため、夜陰に乗じて中層から表層近くに浮上。昼間は海底近くに潜んでいることが多いが、餌の回遊があれば大小の編隊となって出没する。現れては消え、消えてはまた現れるように遊泳層も不定。餌を追い求めているため、まさに神出鬼没だ。産卵期は初夏とされているが、日本近海にはいくつかの系群があり、必ずしも一定ではない。そのため釣期にもばらつきがあり、場所さえ変えればほぼ1年中、姿を見ることができる。最大1.7mにも及ぶ体型は細長く、銀粉を塗りたくったように輝いているところから太刀魚と呼ぶ説があり、また海中で静止しているとき、頭を上にしてまっすぐに立っているので立ち魚だとする説もある。小魚を食うフィッシュイーターのため、餌釣りのほかカッタクリという擬似餌にも反応、ルアーのターゲットとしても人気が高い。
★★テクニック★★
仕掛けの投入はハリからで良いが、絡まないように片テン部は離して沈める。タチウオのタナは指示ダナと海底からの2通り。まず指示ダナの場合はタナの下限からシャクリを入れてタナ上まで探って行く。シャクリは竿でゆっくりソフトに行い1m間隔を目安に入れればよい。そしてタナ上まで探ってもアタリが来なければ再び沈めて下限からシャクリを入れていく。
海底からの場合は、着底後3mほど巻き上げてから20~30m程度の間を細かく誘いを入れて探っていく。タチウオのアタリはコツコツと小さく竿先に伝わってくることが多いが、時にはググッと鮮明に、はたまた食い上げることもあるので常に竿先に集中していたい。リーリングは一定の速度で行い、取り込みはハリスを持って一気に抜き上げる。歯が非常に鋭いのでハリを外すためのプライヤーは絶対に忘れてはいけない。
学名:Acheilognathus moriokae コイ目コイ科
タナゴの仲間は日本には14種いて、一般にはあまり区別せずに釣られている。関東でタナゴ釣りとして主に釣られているのはヤリタナゴである。関西ではボテと呼ぶ。日本の釣りの対象魚としては最小の部類に属するもので、最大でも10cmくらいである。
こんな小さな魚だが、江戸時代から伝統的な釣り方が開発されてきている。1mくらいの専用のタナゴ竿に、独特の仕掛けを付けて、田圃に水を引く水路などを探って歩くのが、冬の風物詩ともなっていたが、最近はタナゴのいる場所が少なくなり、あまり見られなくなってしまった。
★★テクニック★★
小さな魚のためアタリがちいさい。これを取るためにはウキも小さい専用のものを使う。ごく小さなトウガラシウキかタマウキを連結したシモリウキにし、ハリも極小のものにする。
タナゴは冬になると岸近くにある枯れた葦の間などに群れ始める。こうした場所に上からまっすぐに仕掛けを降ろしてやる。横に振り込むと引っかかってしまうからだ。
学名:Palaemon nittonensis 甲殻類テナガエビ科
方言:テナガ、タクマ
エビの仲間だが、ツンツンという小気味よい魚信が味の良さで、古くから釣りの対象として人気が高い。
本州以南の河川の流れのゆるい下流域や湖沼などに広く分布。5月に入ると脱皮を終え、産卵のため浅場に乗っ込んでくる。このころから梅雨の終盤までが旬で、釣りも最盛期。盛夏になると暑さを避けるためか深みに移動してしまう。
本来は夜行性で、暗くなると活発に動きだして小魚の死骸など動物質の餌をあさるが、日中でも活動を休止することはない。明るい晴天時より、朝夕のマヅメ、曇天や小雨混じりの時の方が食いが良く、シトシト小雨の降り止まぬ梅雨空が絶好のチャンスである。
★★テクニック★★
釣りごろは7、8cmクラスだが最大12cmにまで成長。ハサミの小さなメスと違ってオスのハサミは体長の1.3倍くらいの長さになり、これがテナガエビの呼称につながった。
池や沼など止水域ではウキ釣りで攻め、流れのある川ではシモリウキかミャク釣りが効果的。いずれの場合も竿は短めが良く、とくにミャク釣りの場合は1m程度で十分。専用の竿がなければ継ぎ竿を手元の方から節を2、3本抜いて詰めるとよい。ウキ釣りでも2~3mくらいが使いやすく、釣り座から扇形に3、4本くらい出して効率よく釣る。
学名:Oncorhynchus mykiss サケ目サケ科
方言:ショマ、レインボー
北アメリカ原産のサケ科の淡水魚で、現在は養殖によって逆輸出するほどたくさん生産されている。降海型はスティールヘッドと呼び、1mを越える大きさになるが、通常のサイズは30cm以下である。放流による有料管理釣り場の釣りが各地で盛んに行われている。
★★テクニック★★
大変貪食な魚で、餌であれば何でも食ってしまうところがある。このため初心者にも容易に釣れてしまい、多少面白味に欠けるところがある。しかし、普通の渓流に放されたものは野生化し釣りにくくなっている。フライフィッシングによる釣りなどではむずかしいテクニックが要求される。
管理釣り場の餌釣りでは、とくにむずかしいものはないが、放流直後が一番食いがいいので、この時間帯は集中的に釣ること。ハリを飲み込まれやすいので、予備のハリスを多めに用意しておき、入れ食いになったときはハリスごと交換したほうが手返しが早くなる。